エタノール沸点 性質
性質・消火性質・消火乙4

【危険物乙4対策】エタノールの沸点(78℃)と最重要性質5選を比較で覚える暗記術

この記事の要点

  • 沸点約78℃と水の100℃より低く、低い温度で蒸発し引火しやすい性質を持つ。
  • 引火点と蒸気引火点は13℃と常温でも引火の危険があり、発生する蒸気は空気より重いため低い場所に滞留する。
  • 水溶性ガソリンなど他の多くの第4類危険物と異なり、水に任意の割合でよく溶ける。
  • 消火方法水に溶ける性質のため、消火には専用の「耐アルコール泡」が必要で、大量の水による希釈消火も可能である。

エタノールの沸点は何度?試験で比較される物質たち

危険物乙4の試験では、物質の「沸点」が直接問われたり、他の性質を理解する上での前提知識として重要になったりします。特にエタノールは、基準となる物質と比較して覚えるのが最も効率的です。

**エタノールの沸点は約78℃**です。

これを軸に、試験でよく比較対象となる物質の沸点もセットで覚えましょう。

  • : 100℃
  • メタノール: 約65℃(エタノールより低い)
  • ジエチルエーテル: 約35℃(エタノールよりずっと低い)
  • ガソリン: 約30~220℃(混合物のため幅がある)

【試験での出題ポイント】 沸点が低いということは、それだけ低い温度で気体(蒸気)になりやすい(=揮発性が高い)ことを意味します。可燃性の蒸気が発生しやすいほど、引火の危険性は高まります。 「沸点が水より低い」という事実は、「水よりも蒸発しやすく、引火しやすい液体である」という危険性を理解するための重要な手がかりになります。試験では「エタノールは水より沸点が高く、蒸発しにくい」といったひっかけ問題が出されるため、この大小関係は正確に記憶してください。

ここだけは押さえたい!エタノールの5大性質

エタノールの性質は多岐にわたりますが、乙4試験で問われるポイントは決まっています。以下の5つの性質を、理由と共に理解しましょう。

1. 液体・気体の性質(見た目と重さ)

  • 性状: 無色透明の液体で、特有の芳香(お酒や消毒液の匂い)があります。
  • 蒸気比重: 約1.6。これは空気の重さを1としたときの値で、1より大きいので空気より重いことを意味します。

具体例: もし室内でエタノールが漏洩した場合、その蒸気は床付近に溜まります。換気扇が天井にあるだけでは不十分で、床付近の空気を掃き出すように換気する必要があります。この「蒸気は低い場所に溜まる」という性質は、安全管理上非常に重要であり、試験でも頻出です。

2. 水との関係(溶解性)

  • 溶解性: 水に任意の割合でよく溶けます。これを「水溶性」と呼びます。

この「水に溶ける」という性質は、ガソリンや灯油といった「水に溶けず、水に浮く」第4類危険物との決定的な違いです。この違いが、後述する消火方法に大きく影響します。

3. 燃焼の性質(危険性)

  • 引火点: 13℃。これは、13℃あれば火を近づけた際に燃え始める蒸気が発生することを示します。つまり、日本のほとんどの地域の常温環境下で、常に引火の危険があるということです。
  • 燃焼範囲: 3.3~19 vol%。空気中にこの濃度範囲で蒸気が存在すると、着火源があれば燃焼・爆発します。ガソリン(1.4~7.6 vol%)と比較すると、燃焼範囲が広いことも特徴です。
  • 化学変化: 燃焼すると、二酸化炭素(CO₂)と水(H₂O)が生成されます。これは有機物が完全に燃焼した際の特徴であり、「もとの物質とは性質の異なる別の物質ができる変化」の典型例です。

注意点: 引火点(火がつく最低温度)と発火点(火がなくても自ら燃え出す最低温度、エタノールは約363℃)を混同しないようにしましょう。試験ではこの二つの用語を入れ替えたひっかけ問題が定番です。

エタノールの消火方法:水溶性液体特有の選択肢

エタノール火災の消火方法を問う問題は、必ずと言っていいほど出題されます。ポイントは「水溶性」であることです。

  • 有効な消火剤:

    • 耐アルコール泡消火剤: 通常の泡消火剤はアルコールに触れると泡が壊されてしまうため、水溶性液体には専用の「耐アルコール泡」を使用します。
    • 二酸化炭素(CO₂)消火剤: 窒息効果と冷却効果で消火します。
    • ハロゲン化物消火剤: 抑制(負触媒)効果で消火します。
    • 粉末(リン酸塩類等)消火剤: 抑制効果と窒息効果で消火します。
  • 条件付きで可能な消火方法:

    • 大量の水による希釈消火: 水とよく混ざる性質を利用し、大量の水をかけてアルコール濃度を燃焼範囲の下限値以下に薄めることで消火します。
  • 絶対にやってはいけない消火方法:

    • 棒状の強化液や水の注水: 燃えている液体を飛散させ、火災を拡大させる危険があるため厳禁です。

比較: ガソリンのような非水溶性液体の場合、水をかけるとガソリンが水に浮いたまま燃え広がるため、希釈消火はできません。この違いを明確に区別することが、合格への近道です。

アルコール類全般の共通点と試験での問われ方

エタノールは、消防法上の「アルコール類」という品名に分類されます。この「アルコール類」の定義も試験で問われる重要事項です。

【アルコール類の定義】 1分子を構成する炭素の原子の数が1個から3個までの飽和1価アルコール(変性アルコールを含む)。

  • 該当する主な物質:
    • 炭素1個: メタノール
    • 炭素2個: エタノール
    • 炭素3個: 1-プロパノール2-プロパノール(イソプロピルアルコール)

【受験生向けの行動ステップ】 試験では「次のうちアルコール類に該当しないものはどれか?」という形式で、炭素数が4個以上のブタノールや、グリセリン(3価アルコール)などが選択肢として登場します。「炭素の数が1~3個」というキーワードを確実に覚え、問題文を見たらすぐに判別できるようにしておきましょう。

よくあるミス

  • 沸点と引火点の混同: 「エタノールの沸点は13℃である」といった選択肢に騙されないこと。沸点は約78℃、引火点は13℃です。
  • 蒸気比重の勘違い: なんとなく「気体は軽い」というイメージから、蒸気は空気より「軽い」と誤答してしまう。正しくは「重い」です。
  • 消火方法の誤解: 水に溶けるからといって、どんな水の使い方もOKと勘違いし「棒状注水」を選んでしまう。希釈目的の大量注水のみ可能です。
  • 泡消火剤の選択ミス: 水溶性液体火災と知らずに、一般的な泡消火剤が有効だと判断してしまう。正しくは「耐アルコール泡」です。
  • メタノールとの混同: メタノールは有毒(失明の危険)ですが、エタノールは飲用(お酒)にも使われます。性質は似ていますが、毒性の有無は大きな違いです。

ミニ問題

Q1 / 3

Q1

エタノールの性質について、次のうち正しいものはどれですか?

Q2

エタノール火災の消火方法として、最も不適切なものはどれですか?

Q3

消防法上の「アルコール類」の定義に該当しないものは、次のうちどれですか?

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