アセトンとメチルエチルケトンの違い
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【危険物乙4】アセトンとMEKの覚え方|共通点と“炭素数”で違いを完全攻略

この記事の要点

  • 最重要共通点アセトンとメチルエチルケトンは、どちらも「第1石油類・水溶性」に分類され、指定数量は同じ400Lです。
  • 物性の違いの原則メチルエチルケトンはアセトンより分子量が大きいため、引火点・沸点・蒸気比重の全てが高くなります。
  • 消火方法どちらも水によく溶ける「水溶性」の液体であるため、消火には専用の「耐アルコール泡」を使用する必要があります。

危険物取扱者乙種4類の試験では、個々の危険物の性質を正確に暗記しているかが合否を分けます。特に、性質が似ている物質の比較問題は受験生が失点しやすいポイントです。

今回はその代表格である「アセトン」と「メチルエチルケトン(MEK)」に絞って、その違いと試験で問われる核心部分を徹底的に解説します。

1. 「親戚」だけど違う!構造と名称から理解する

アセトンもメチルエチルケトンも、同じケトンという有機化合物の仲間です。人間で言えば「親戚」のような関係ですが、もちろん違いがあります。その根源は化学構造にあります。

  • アセトン (CH₃COCH₃)

    • 炭素(C)が3つ、水素(H)が6つ、酸素(O)が1つで構成されます。
    • 構造の中心に「-CO-」というカルボニル基があり、その両側にメチル基「-CH₃」が1つずつ付いています。最もシンプルな構造を持つケトンです。
  • メチルエチルケトン (CH₃COC₂H₅)

    • 炭素(C)が4つ、水素(H)が8つ、酸素(O)が1つで構成されます。
    • アセトンと同じく中心に「-CO-」があり、片方にはメチル基「-CH₃」、もう片方にはエチル基「-C₂H₅」が付いています。

つまり、メチルエチルケトンはアセトンの一部が少し大きくなった(炭素が1つ、水素が2つ増えた)構造をしているのです。この「少し大きい」という点が、後述する物性の違いに直結します。

2. 試験で問われる物性の比較【重要度順】

乙4試験では、具体的な数値を暗記するよりも「どちらが高いか・低いか」を問う問題がほとんどです。以下の原則を理解すれば、丸暗記は不要です。

原則:分子が大きく・重くなるほど、蒸発しにくくなる

この原則を頭に入れて、各物性を見ていきましょう。

物性アセトンメチルエチルケトン(MEK)解説
引火点-18℃-9℃MEKの方が分子が重いので蒸発しにくく、引火しにくい。だから引火点が高い。
沸点56℃80℃MEKの方が分子が重いので、沸騰させるのにより多くのエネルギーが必要。だから沸点が高い。
蒸気比重2.02.5分子量に比例するため、分子量が大きいMEKの方が重い。だから蒸気比重も大きい。

【注意点】 どちらの蒸気も空気(平均分子量約29、蒸気比重1)より重いため、低い場所に滞留する性質は共通しています。この点も試験で問われやすいので覚えておきましょう。

3. 最重要!分類と消火方法の「共通点」

違いを覚えることも大切ですが、試験では「共通点」を突いた問題も多く出題されます。アセトンとMEKで最も重要な共通点は以下の2つです。

  1. 分類:第4類危険物 第1石油類 水溶性液体

    • ガソリンと同じ「第1石油類」ですが、「水溶性」という点が決定的に異なります。
    • これにより、指定数量は非水溶性の200Lではなく、400Lとなります。この数値は頻出です。
  2. 消火方法:耐アルコール泡(水溶性液体用泡消火薬剤)を使用する

    • 水によく溶ける性質(水溶性)のため、通常の泡消火薬剤をかけると、泡が壊されてしまい効果がありません。
    • そのため、水溶性液体に対応した特殊な**「耐アルコール泡」**を使用する必要があります。
    • 「アセトン・MEK → 水溶性 → 耐アルコール泡」という流れは必ず押さえてください。

具体例: 試験問題で「アセトンの消火方法として正しいものはどれか」と問われた場合、選択肢に「泡消火薬剤」と「水溶性液体用泡消火薬剤」があれば、後者が正解となります。

4. 試験本番で使える判断基準と失点回避策

試験本番では、限られた時間で正確に判断する必要があります。以下の思考プロセスを身につけておけば、焦らずに対応できます。

ステップ1:問題文のキーワードをチェック 問題文に「アセトン」または「メチルエチルケトン」が出てきたら、瞬時に「第1石油類・水溶性・指定数量400L」を思い出します。

ステップ2:比較問題か単体問題かを見極める

  • 比較問題の場合:

    • 「引火点が高いのはどちらか?」→「分子が大きいMEKの方が高い」
    • 「蒸気比重が小さいのはどちらか?」→「分子が小さいアセトンの方が小さい」
    • このように、「分子の大きさ」を基準に判断します。
  • 単体問題の場合:

    • 「アセトンの消火方法は?」→「水溶性だから耐アルコール泡」
    • 「メチルエチルケトンの指定数量は?」→「水溶性の第1石油類だから400L」
    • このように、「分類と性質」から答えを導き出します。

失点回避策:アルコール類との混同に注意 アセトンもMEKも水に溶ける性質から、受験生はよく「アルコール類」と混同してしまいます。しかし、これらは明確に**ケトン類**であり、品名は「第1石油類」です。アルコール類(C1〜C3の飽和1価アルコール)とは別の分類であることをしっかり区別しておきましょう。

よくあるミス

  • 消火方法の勘違い: 水溶性であることを見落とし、通常の泡消火薬剤が有効だと誤解する。
  • 指定数量の間違い: 同じ第1石油類であるガソリン(非水溶性)と同じ200Lだと勘違いする。(正解は400L)
  • 物性の逆転: 「アセトンの方が引火点や沸点が高い」と逆に覚えてしまう。
  • 蒸気の重さの誤解: 蒸気が空気より軽いと思い込み、換気は高い場所で行うと間違える。(正解は低い場所に溜まるので、低い場所の換気が必要)
  • 分類の混同: メタノールやエタノールと同じ「アルコール類」に分類されると勘違いする。

ミニ問題

Q1 / 3

Q1

アセトンとメチルエチルケトン(MEK)に共通する性質として、次のうち正しいものはどれですか。

Q2

アセトンとメチルエチルケトン(MEK)の物性の比較について、次のうち誤っているものはどれですか。

Q3

メチルエチルケトン(MEK)が燃焼している場合の消火方法として、最も適切なものはどれですか。

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