窒息消火とは
窒息消火とは、簡単に言うと燃えているもの(可燃性物質)の周りにある酸素を奪って火を消す方法です。火が燃えるためには、可燃性物質、酸素、熱源の3つが必要ですが、このうち酸素を遮断することで燃焼を止めるのが窒息消火の原理です。
想像してみてください。ろうそくに火が灯っているところに、コップを被せるとどうなるでしょうか?最初は燃え続けますが、コップの中の酸素が減ってくると、やがて火は消えますよね。これが窒息消火のイメージです。
水を使って消火する冷却消火とは異なり、窒息消火では可燃性物質そのものを冷やすわけではありません。あくまで、燃焼に必要な酸素をなくすことが目的です。主に、二酸化炭素や窒素ガスといった不活性ガスが窒息消火剤として用いられます。これらのガスは酸素よりも比重が大きいため、燃えているものの周囲を覆い、酸素を追い出す効果があります。
試験のポイント
乙4試験では、窒息消火の定義、原理、そして使用される消火剤について問われることが多いです。
- 定義: 可燃性物質の周囲の酸素濃度を低下させ、燃焼に必要な酸素供給を遮断することで消火する方法。
- 原理: 燃焼の三要素のうち、酸素の供給を遮断する。
- 消火剤: 二酸化炭素、窒素ガス、ハロンガス(現在は製造・輸入が規制されていますが、過去の試験で出題される可能性があるので覚えておきましょう)、粉末消火剤(一部)
ひっかけ問題の注意点:
- 「窒息消火は冷却効果もある」→間違い! 窒息消火は、酸素供給を遮断するもので、冷却効果はほとんどありません。冷却効果があるのは、水による冷却消火です。
- 「水も窒息消火に使える」→場合による! 水は主に冷却消火に使われますが、油火災の場合、水をかけると油が飛び散り、火災を拡大させる可能性があります。密閉された空間で水蒸気を大量に発生させれば、窒息効果も期待できますが、一般的な消火方法としては冷却消火が主です。
- 「全ての粉末消火剤が窒息効果を持つ」→間違い! 粉末消火剤には、冷却効果、抑制効果を持つものもあります。窒息効果を持つのは、リン酸アンモニウムなどの一部の粉末消火剤です。
具体例・数値データ
- 二酸化炭素消火器: 事務所や工場などでよく見られる消火器です。二酸化炭素を噴射することで、可燃性物質の周囲の酸素濃度を低下させます。特に、電気設備火災に有効です(電気絶縁性があるため)。
- 窒素ガス消火設備: 大規模なタンクや密閉された空間で使用されます。窒素ガスを充満させることで、酸素濃度を下げ、火災を鎮火します。
- 酸素濃度の低下: 通常、空気中の酸素濃度は約21%ですが、15%以下になると多くの可燃性物質は燃焼を維持できなくなります。窒息消火では、この酸素濃度を15%以下にすることが目標となります。
- 消火実験: ろうそくにコップを被せた実験で、コップ内の酸素濃度を測定すると、火が消える直前には15%以下になっていることが確認できます。
まとめ
- 窒息消火は、燃焼に必要な酸素を遮断して火を消す方法。
- 二酸化炭素、窒素ガスなどが主な消火剤として用いられる。
- 冷却効果はない。
- 乙4試験では、定義、原理、使用される消火剤について問われる。
- ひっかけ問題に注意(水や粉末消火剤との関連)。
