ジエチルエーテルとは
ジエチルエーテルは、無色透明で、非常に揮発性の高い液体です。特徴的なエーテル臭を持ち、かつては麻酔薬として広く使用されていました。しかし、その高い引火性と爆発性から、現在では麻酔用途での使用は減少し、主に実験室や工業用途で使用されています。
化学式は (C2H5)2O または CH3CH2OCH2CH3 で表されます。エーテル結合(-O-)を持つ有機化合物であり、水にはわずかに溶解しますが、多くの有機溶媒とは容易に混和します。
初学者の方にとって重要なのは、**「非常に揮発性が高い = 蒸気になりやすい = 火災のリスクが高い」**という点を理解することです。 特に、静電気によっても引火する可能性があるため、取り扱いには細心の注意が必要です。
試験のポイント
乙種第4類危険物取扱者試験では、ジエチルエーテルに関する以下のポイントがよく出題されます。
- 指定数量: 50リットル
- 危険等級: 1
- 水溶性: わずかに水に溶ける
- 蒸気比重: 空気より重い (約2.55倍)
- 引火点: -45℃以下(極めて低い)
- 発火点: 180℃(比較的低い)
- 消火方法: 乾燥砂、粉末消火剤、二酸化炭素消火剤を使用。水や泡消火剤は不向き。
- 貯蔵・取扱いの注意点:
- 火気を厳禁し、静電気の発生を防止する。
- 直射日光を避け、冷暗所に密閉容器で保管する。
- 容器の転倒、落下、衝撃を避ける。
- 換気を十分に行う。
- 蒸気が滞留しないように注意する。
ひっかけ問題の注意点:
- 「水溶性」: 「よく溶ける」と記述されていたら誤り。**「わずかに溶ける」**が正解です。
- 「消火方法」: 水や泡消火剤は、ジエチルエーテルを拡散させ、火災を拡大させる可能性があるため、使用できません。
- 「蒸気比重」: 蒸気は空気より重いため、低い場所に滞留しやすいです。換気を行う際は、床付近に注意が必要です。
- 「指定数量」: 他の危険物と混同しないように、必ず50リットルと覚えてください。
- 「発火点」: 引火点と混同しないこと。引火点は火を近づけた際に引火する温度、発火点は自己着火する温度。
具体例・数値データ
- 指定数量: ガソリンの指定数量が200リットルなので、ジエチルエーテルはガソリンよりもはるかに危険度が高いことがわかります。
- 蒸気比重: ジエチルエーテルの蒸気比重は約2.55です。これは、同じ体積の空気の約2.55倍の重さがあることを意味します。したがって、漏洩したジエチルエーテルの蒸気は、換気が不十分な場所では低い場所に滞留し、引火源に触れると爆発する危険性があります。
- 過去の事故例: ジエチルエーテルの保管容器が劣化し、漏洩した蒸気に静電気で引火し、爆発火災が発生した事例があります。
- 医療現場での使用: かつては麻酔薬として使用されていましたが、副作用や引火性の問題から、現在では他の麻酔薬が主流となっています。しかし、特定の研究用途や緊急時には使用されることがあります。
ジエチルエーテルの分子構造
まとめ
- ジエチルエーテルは無色透明で揮発性が非常に高い液体。
- 指定数量は50リットル、危険等級は1。
- 引火点は-45℃以下と極めて低い。
- 蒸気は空気より重く、低い場所に滞留しやすい。
- 消火には乾燥砂、粉末消火剤、二酸化炭素消火剤を使用する。水や泡消火剤は使用不可。
- 火気厳禁、静電気防止、換気徹底が重要。
- **「わずかに水に溶ける」**を忘れない。
これらのポイントをしっかり押さえて、乙種第4類危険物取扱者試験に臨みましょう!
