消火器とは
消火器は、火災が発生した初期段階で、被害を最小限に抑えるために使用される可搬式の消火器具です。「初期消火」という言葉がポイントで、火災がまだ小さく、比較的容易に消し止められる段階で使用するのが効果的です。消防隊が到着するまでの時間稼ぎや、小さな火災を自力で鎮火するために非常に重要な役割を果たします。
身近な例としては、オフィスや家庭、車内などに設置されている赤い容器に入ったものが挙げられます。消火器には様々な種類があり、火災の種類(普通火災、油火災、電気火災)に応じて、適切な薬剤を選んで使用する必要があります。間違った種類の消火器を使用すると、かえって火災を拡大させたり、感電などの二次災害を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。
消火器の使用方法は、一般的に容器に記載されていますが、いざという時に慌てないよう、事前に確認しておくことが大切です。基本的な操作は、「ピンを抜く → ノズルを火元に向ける → レバーを握る → 放射する」 といった手順になります。
試験のポイント
乙種4類危険物取扱者試験において、消火器に関する問題は頻出です。主に以下の点が問われます。
- 火災の種類と消火薬剤の組み合わせ:
- 普通火災(A火災): 紙や木材、繊維などが燃える火災。水系消火器(強化液消火器、水消火器)や粉末消火器などが有効。
- 油火災(B火災): ガソリン、灯油、重油などの可燃性液体が燃える火災。泡消火器や粉末消火器、ハロゲン化物消火器などが有効。水系消火器は油を飛散させる可能性があるので使用しない。
- 電気火災(C火災): 電気設備や電気配線から発生する火災。二酸化炭素消火器や粉末消火器、ハロゲン化物消火器などが有効。感電の危険性があるため、水系消火器は使用しない。
- 消火器の種類と特徴:
- 水消火器: 普通火災に有効。
- 泡消火器: 油火災に有効。
- 二酸化炭素消火器: 電気火災に有効。放射時に窒息の危険性があるため、換気の良い場所で使用する。
- 粉末消火器: ABC火災全てに対応可能。汎用性が高い。
- 強化液消火器: 普通火災に有効。浸透性が高く、再燃防止効果が高い。
- ハロゲン化物消火器: 油火災、電気火災に有効。現在は環境保護の観点から製造・販売が制限されている。
- 消火器の設置基準:
- 設置場所、設置間隔など。具体的な数値は法令集を参照すること。
- 消火器の点検方法:
- 外観点検、指示圧力計の確認、容器の腐食状況など。
- 消火器の使用方法:
- 上記「消火器とは」の項を参照。
ひっかけ問題の注意点:
- 「全ての火災に対応できる消火器は存在しない」 などの否定形の文言に注意。粉末消火器はABC火災に対応できるが、「全ての火災」となると例外もあるため、慎重に判断する。
- 「水消火器は油火災に有効である」 などの誤った組み合わせに注意。
- 消火器の設置基準に関する問題では、具体的な数値を暗記しておく必要がある。
具体例・数値データ
- 消火器の設置間隔: 歩行距離で20m以下(特定の防火対象物では15m以下)
- 消火器の放射時間: 薬剤の種類やサイズによって異なるが、一般的に15秒~30秒程度。
- 消火器の放射距離: 薬剤の種類やサイズによって異なるが、一般的に3m~6m程度。
- 消火器の耐用年数: おおよそ10年程度。定期的な点検が必要。
- 住宅用消火器: 家庭での火災に特化した小型で軽量な消火器。一般的に普通火災、油火災、電気火災に対応。
例題:
次のうち、油火災に最も有効な消火器はどれか。
- 水消火器
- 二酸化炭素消火器
- 泡消火器
- 強化液消火器
正解: 3. 泡消火器
まとめ
- 消火器は初期消火に用いられる可搬式の消火器具。
- 火災の種類(普通、油、電気)に応じて適切な薬剤を選定する必要がある。
- 乙4試験では、火災の種類と消火薬剤の組み合わせ、消火器の種類と特徴、設置基準、点検方法、使用方法などが問われる。
- ひっかけ問題に注意し、具体的な数値やデータも暗記しておくこと。
- 消火器の操作方法を事前に確認しておくことが重要。
