予防規程とは?
消防法では、一定数量以上の危険物を貯蔵し、または取り扱う事業所において、火災予防のために予防規程を定め、消防署長等に届け出ることを義務付けています。これは、事業所自らが火災予防のための自主保安体制を確立し、危険物の取扱いに係る安全性を高めることを目的としています。
予防規程の目的
予防規程は、事業所における危険物の安全な取扱いを確保し、火災、爆発等の災害を未然に防止することを目的としています。具体的には、以下の役割を果たします。
- 危険物の取扱方法、貯蔵方法に関する基準を明確化する。
- 従業員に対する教育訓練の内容を定める。
- 定期点検の実施方法、記録方法を定める。
- 緊急時の対応手順を定める。
これらの基準や手順を定めることで、危険物の取扱いに係るリスクを低減し、安全な作業環境を維持することが可能になります。
予防規程の作成と届出が必要な事業所
すべての事業所が予防規程を作成する必要があるわけではありません。消防法で定められた指定数量以上の危険物を貯蔵し、または取り扱う事業所のうち、以下のいずれかに該当する事業所が予防規程の作成・届出義務があります。
- 指定数量以上の危険物を貯蔵し、または取り扱う製造所
- 指定数量以上の危険物を貯蔵し、または取り扱う屋内貯蔵所
- 指定数量以上の危険物を貯蔵し、または取り扱う屋外タンク貯蔵所
- 指定数量以上の危険物を貯蔵し、または取り扱う屋内タンク貯蔵所
- 指定数量以上の危険物を貯蔵し、または取り扱う給油取扱所
- 指定数量以上の危険物を貯蔵し、または取り扱う移送取扱所
- 指定数量以上の危険物を貯蔵し、または取り扱う一般取扱所
指定数量とは
指定数量とは、危険物の種類や危険性に応じて消防法で定められた数量のことで、この数量を超える危険物を貯蔵・取扱う場合に、様々な規制を受けることになります。 指定数量は、危険物の種類によって異なり、例えば、ガソリンの場合は200リットルが指定数量となります。指定数量については、別のページで詳しく解説します。
予防規程の記載事項
予防規程には、以下の事項を記載する必要があります。
- 危険物の保安に関する組織: 危険物の保安に関する責任者、担当者、組織体制などを明確にします。
- 危険物の保安に関する教育: 従業員に対する教育訓練計画、実施内容などを定めます。
- 危険物の取扱方法: 危険物の種類に応じた取扱方法、注意事項などを具体的に記載します。
- 危険物の貯蔵方法: 貯蔵場所の管理方法、貯蔵量、容器の管理などを記載します。
- 点検の方法: 定期点検の実施頻度、点検項目、点検記録の保存方法などを定めます。
- 事故発生時の措置: 事故発生時の通報連絡体制、初期消火方法、避難誘導方法などを定めます。
- その他: 火気の使用制限、喫煙場所の指定、その他火災予防に必要な事項を記載します。
これらの記載事項は、事業所の規模や取扱う危険物の種類によって異なりますが、火災予防のために必要な事項を網羅的に記載する必要があります。
予防規程の変更
予防規程の内容を変更する場合、原則として事前に消防署長等に届け出る必要があります。ただし、軽微な変更(例えば、担当者の氏名変更など)については、事後の届出で済む場合があります。変更届出の要否については、所轄の消防署に確認するようにしましょう。
予防規程変更の届出が必要な例
- 保安に関する組織体制の変更
- 危険物の取扱方法の変更
- 事故発生時の措置に関する変更
予防規程変更の届出が不要な例
- 担当者の氏名変更
- 連絡先の電話番号変更(重要度の低いもの)
このページの要点
- 予防規程は、危険物の取扱いに係る火災予防のための自主保安体制を確立することを目的とする。
- 指定数量以上の危険物を貯蔵・取扱う特定の事業所は、予防規程の作成・届出義務がある。
- 予防規程には、危険物の保安に関する組織、取扱方法、貯蔵方法、点検方法、事故発生時の措置などを記載する必要がある。
- 予防規程の内容を変更する場合は、原則として事前に消防署長等に届け出る必要がある。