A-3-3 自衛消防組織と災害発生時の初動
自衛消防組織とは
危険物を貯蔵し、または取り扱う事業所では、火災などの災害が発生した場合に、被害を最小限に抑えるために、自衛消防組織を設置する必要があります。これは、消防機関の到着を待つだけでなく、事業所自身が迅速かつ組織的に対応することで、被害の拡大を防ぐことを目的としています。
自衛消防組織は、事業所の規模や危険物の種類、量に応じて、必要な人員や設備を備える必要があります。消防法に基づき、政令で定める指定数量以上の危険物を貯蔵し、または取り扱う事業所は、自衛消防組織の設置が義務付けられています。自衛消防組織の編成、訓練計画、活動内容などは、消防計画に定められ、定期的な訓練を通じて、組織の連携と対応能力を向上させる必要があります。
自衛消防組織の主な役割
自衛消防組織の主な役割は以下の通りです。
- 初期消火活動: 火災の早期発見と初期消火は、被害を最小限に抑えるために最も重要です。消火器や屋内消火栓などを活用し、迅速かつ安全に消火活動を行います。
- 通報連絡: 火災発生を消防機関へ迅速に通報します。正確な場所、火災の種類、状況などを伝え、的確な指示を仰ぎます。同時に、事業所内の関係者への連絡も行い、状況を共有します。
- 避難誘導: 従業員や来客などを安全な場所へ誘導します。避難経路を確保し、冷静かつ的確な指示を出すことが重要です。高齢者や体の不自由な人の避難支援も考慮する必要があります。
- 救出救護: 負傷者の救出や応急処置を行います。必要に応じて、救急隊への連絡や引き継ぎを行います。
- 重要物品の搬出: 重要な書類や設備などを安全な場所へ搬出します。ただし、人命救助が最優先であり、無理な搬出は避けるべきです。
- 消防隊への協力: 消防隊の到着後は、積極的に情報提供を行い、消火活動を支援します。
災害発生時の初動
災害発生時の初動は、その後の対応を左右する重要な段階です。以下の手順で迅速かつ確実に行動することが求められます。
- 火災の発見: 異臭、煙、炎などを発見した場合、直ちに状況を確認します。
- 初期消火: 消火器や屋内消火栓などを活用し、初期消火を試みます。ただし、自分の身の安全を最優先とし、消火が困難な場合は速やかに避難します。
- 通報連絡: 119番に通報し、火災の発生場所、種類、状況などを正確に伝えます。事業所内の関係者にも連絡し、状況を共有します。
- 避難誘導: 従業員や来客などを安全な場所へ誘導します。避難経路を確保し、落ち着いて指示を出します。避難時の注意点としては、「おかしも」を徹底することが重要です。(おさない・かけない・しゃべらない・もどらない)
- 安全確保: 周囲の安全を確保し、二次災害の防止に努めます。必要に応じて、危険物の搬出や設備の停止などを行います。
予防規程との関係
自衛消防組織の活動は、予防規程に基づいて行われます。予防規程には、自衛消防組織の編成、訓練計画、活動内容などが詳細に定められており、災害発生時の対応手順が明確に示されています。定期的な訓練や見直しを通じて、予防規程の内容を常に最新の状態に保ち、実効性を高めることが重要です。
このページの要点
- 自衛消防組織は、危険物を取り扱う事業所における火災等の被害を最小限に抑えるために不可欠な組織です。
- 初期消火、通報連絡、避難誘導などが主な役割であり、迅速かつ組織的な対応が求められます。
- 災害発生時の初動は、その後の対応を左右する重要な段階であり、定められた手順に従って行動する必要があります。
- 予防規程に基づき、定期的な訓練と見直しを行い、組織の連携と対応能力を向上させることが重要です。