B-1-3

熱量・比熱・熱移動の基礎

監修: 危険物学習チーム

更新 2026-02-19 / 10

目次

  1. 熱量、比熱の概念を理解し、計算問題を解けるようになる
  2. 熱移動の3つの形態(伝導、対流、放射)を説明できるようになる
  3. 危険物の温度管理における熱の基礎知識の重要性を理解する
  4. 身の回りの現象と熱量の関係を理解する

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熱とは何か?

熱とは、分子や原子の運動エネルギーの総和です。物質を構成する分子や原子は常に振動したり、回転したり、移動したりしています。これらの運動が活発になればなるほど、物質の温度は高くなります。

熱量(Q)

熱量とは、ある物体が吸収または放出した熱の量を表します。熱量の単位にはジュール(J)やカロリー(cal)が用いられます。

  • 1カロリー(cal):1グラムの水を1℃上げるのに必要な熱量
  • 1ジュール(J):仕事の単位であり、熱エネルギーの単位としても使用されます。1 cal ≒ 4.2 J

熱量は以下の式で表されます。

Q = mcΔT

ここで、

  • Q: 熱量(Jまたはcal)
  • m: 質量(kgまたはg)
  • c: 比熱(J/(kg・K) または cal/(g・℃))
  • ΔT: 温度変化(Kまたは℃)

比熱(c)

比熱とは、ある物質1g(または1kg)の温度を1℃(または1K)上げるのに必要な熱量のことです。物質の種類によって比熱の値は異なります。一般的に、比熱が大きい物質ほど温まりにくく、冷めにくい性質を持ちます。水は比熱が比較的大きい物質です。

例えば、同じ熱量を加えても、比熱の小さい物質は温度が上がりやすく、比熱の大きい物質は温度が上がりにくいです。

熱移動の3つの形態

熱は、温度の高いところから低いところへ移動します。この熱の移動には、主に次の3つの形態があります。

伝導

伝導とは、物質内での熱の移動のことです。物質を構成する分子や原子が振動し、その振動が隣の分子や原子に伝わることで熱が移動します。金属などの固体は、自由電子が熱を伝えるため、伝導しやすいです。

対流

対流とは、液体や気体の中で、温度差によって生じる密度の違いによって熱が移動する現象です。温められた液体や気体は膨張して密度が小さくなり、上昇します。代わりに、冷たい液体や気体が下降し、循環が生まれます。この循環によって熱が移動します。

放射(輻射)

放射とは、電磁波(赤外線など)によって熱が移動する現象です。放射による熱移動は、物質を介さずに真空中でも起こります。太陽の熱が地球に届くのは、放射による熱移動です。

危険物と熱

危険物の取り扱いにおいて、熱の知識は非常に重要です。例えば、引火点や発火点は、熱によって物質が燃焼を始める温度を示します。また、危険物の貯蔵・取扱いの際には、適切な温度管理を行い、過熱を防ぐ必要があります。温度管理を怠ると、shizen-hakka(自然発火)や爆発などの事故につながる可能性があります。

温度上昇を抑えるために冷却したり、可燃性蒸気の発生を抑えるために温度を下げたりします。特に第四類の危険物は、inkaiten(引火点)の低いものが多く、静電気などによるわずかな火花でも引火する可能性があるため、seidenki(静電気)対策も重要です。nenshou-no-san-youso(燃焼の三要素)を理解し、熱源を遮断することが火災予防につながります。

このページの要点

  • 熱量は物質が吸収・放出した熱の量であり、Q = mcΔT で計算できる。
  • 比熱は物質1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量で、物質の種類によって異なる。
  • 熱移動には、伝導、対流、放射の3つの形態がある。
  • 危険物の取り扱いにおいて、熱の知識は火災予防のために不可欠である。
  • 適切な温度管理を行い、自然発火や爆発などの事故を防ぐことが重要である。

試験のポイント

  • 熱量は物質の温度変化に必要なエネルギー
  • 比熱は物質固有の温まりやすさ・冷めやすさを示す
  • 熱移動は伝導、対流、放射の3形態
  • 危険物の温度管理は事故防止に不可欠
  • 自然発火を防ぐには熱源管理が重要

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