アルコール類とは
アルコール類は、分子の中にヒドロキシル基(-OH)を持つ有機化合物の総称です。危険物取扱者試験(乙種第4類)で扱うアルコール類は、主にメタノール、エタノール、イソプロパノールなど、比較的分子量の小さいものが中心となります。これらは引火性液体であり、火災の危険性があるため、取り扱いには十分な注意が必要です。
アルコール類の性質
アルコール類は、一般的に以下のような性質を持ちます。
- 引火性: 非常に引火しやすい液体です。引火点は低く、常温でも可燃性の蒸気を発生します。蒸気は空気より重く、低い場所に滞留しやすい性質があります。
- 水溶性: 水によく溶けます。この性質を利用して、消火活動を行うことがあります。
- 揮発性: 揮発性が高く、蒸発しやすいです。蒸発する際に周囲の熱を奪うため、気化熱による冷却効果があります。
- 無色透明: ほとんどのアルコール類は無色透明な液体です。
- 特有の臭い: 種類によって特有の臭いがあります。メタノールは刺激臭、エタノールは特有の芳香臭がします。
- 毒性: 種類によっては毒性があります。特にメタノールは人体に有害であり、失明や死亡の原因となることがあります。誤飲には十分注意が必要です。
代表的なアルコール類
- メタノール (CH3OH): メチルアルコールとも呼ばれます。工業用アルコールとして広く使用されています。毒性が強く、人体に有害です。
- エタノール (C2H5OH): エチルアルコールとも呼ばれます。消毒用アルコール、酒類、溶剤など、様々な用途に使用されています。
- イソプロパノール ((CH3)2CHOH): IPAとも呼ばれます。消毒用アルコール、溶剤、洗浄剤として使用されています。
アルコール類の火災予防
アルコール類は引火性が高いため、火災予防には細心の注意が必要です。
- 火気厳禁: アルコール類を取り扱う場所では、火気の使用は厳禁です。タバコ、ライター、静電気などにも注意が必要です。
- 換気の徹底: 可燃性の蒸気が滞留しないように、換気を十分に行うことが重要です。換気扇や通風孔を利用し、常に空気を入れ替えるようにしましょう。
- 密閉保管: アルコール類は密閉できる容器に保管し、蒸気の発生を抑えるようにします。容器は直射日光を避け、冷暗所に保管してください。
- 漏洩対策: 容器の破損や漏洩に注意し、定期的に点検を行いましょう。万が一漏洩した場合は、速やかに適切な処理を行ってください。
- 静電気対策: アルコール類は静電気を帯びやすいため、容器の移し替え時には静電気を除去する必要があります。アース線を使用したり、導電性の容器を使用するなどの対策を行いましょう。
アルコール類の消火方法
アルコール類の火災には、以下の消火方法が有効です。
- 泡消火器: アルコール類火災に有効な消火器です。泡で燃焼面を覆い、酸素の供給を遮断することで消火します。
- 粉末消火器: ABC粉末消火器も有効です。燃焼反応を抑制し、消火します。
- 水溶性液体火災用消火器: 水とアルコールが混合する性質を利用した消火器です。混合することでアルコール濃度を下げ、燃焼を抑制します。
- 大量の水: 水溶性であるため、大量の水で冷却することで消火することができます。ただし、周囲への流出を防ぐ必要があります。
重要な注意点: ハロゲン化物消火器は、アルコール類火災に使用すると有毒ガスが発生する可能性があるため、使用しないでください。
このページの要点
- アルコール類は引火性が高く、蒸気は空気より重い。
- メタノールは毒性が強く、エタノールは消毒用など様々な用途に使用される。
- 火気厳禁、換気の徹底、密閉保管が火災予防の基本。
- 泡消火器、粉末消火器、水溶性液体火災用消火器、大量の水が有効な消火方法。
- ハロゲン化物消火器は使用禁止。