B-5-2 濃度・希釈計算
濃度とは?
濃度とは、溶液中に溶けている物質(溶質)がどれだけ含まれているかを表す指標です。身の回りの様々な場面で濃度という言葉が使われています。例えば、ジュースの甘さ、お風呂のお湯の温度、空気中の酸素の量など、様々なものが濃度として表現できます。
危険物取扱者試験でよく問われる濃度は、以下の3種類です。
- 質量パーセント濃度 [%]
- 体積パーセント濃度 [%]
- モル濃度 [mol/L]
それぞれの定義と計算方法をしっかり理解しましょう。
質量パーセント濃度
質量パーセント濃度は、溶液の質量に対する溶質の質量の割合をパーセントで表したものです。
質量パーセント濃度 [%] = (溶質の質量 [g] / 溶液の質量 [g]) × 100
例題1: 水100gに塩化ナトリウム20gを溶かした水溶液の質量パーセント濃度を求めなさい。
解答:
溶液の質量 = 水の質量 + 塩化ナトリウムの質量 = 100g + 20g = 120g 質量パーセント濃度 = (20g / 120g) × 100 = 16.66... ≈ 16.7%
答え: 16.7%
体積パーセント濃度
体積パーセント濃度は、溶液の体積に対する溶質の体積の割合をパーセントで表したものです。主に、液体同士を混合した場合に用いられます。
体積パーセント濃度 [%] = (溶質の体積 [mL] / 溶液の体積 [mL]) × 100
例題2: エタノール30mLを水70mLに加えて混合した水溶液の体積パーセント濃度を求めなさい。ただし、混合による体積変化はないものとします。
解答:
溶液の体積 = エタノールの体積 + 水の体積 = 30mL + 70mL = 100mL 体積パーセント濃度 = (30mL / 100mL) × 100 = 30%
答え: 30%
モル濃度
モル濃度は、溶液1L中に溶けている溶質の物質量(モル数)を表したものです。
モル濃度 [mol/L] = 溶質の物質量 [mol] / 溶液の体積 [L]
例題3: 水500mLに水酸化ナトリウム4gを溶かした水溶液のモル濃度を求めなさい。ただし、水酸化ナトリウムの分子量は40とする。
解答:
水酸化ナトリウムの物質量 = 4g / 40g/mol = 0.1mol 溶液の体積 = 500mL = 0.5L モル濃度 = 0.1mol / 0.5L = 0.2mol/L
答え: 0.2 mol/L
希釈の計算
希釈とは、濃い溶液に溶媒(通常は水)を加えて濃度を下げる操作です。希釈の前後で溶質の物質量は変化しないという点が重要です。
希釈の計算では、以下の式を用います。
C1V1 = C2V2
ここで、
- C1: 希釈前の濃度
- V1: 希釈前の体積
- C2: 希釈後の濃度
- V2: 希釈後の体積
例題4: 10%の塩酸100mLを水で希釈して、2%の塩酸を作りたい。必要な水の体積を求めなさい。
解答:
C1 = 10%, V1 = 100mL, C2 = 2%, V2 = ?
10% × 100mL = 2% × V2 V2 = (10% × 100mL) / 2% = 500mL
必要な水の体積 = 希釈後の体積 - 希釈前の体積 = 500mL - 100mL = 400mL
答え: 400mL
混合の計算
濃度の異なる溶液を混合する場合、それぞれの溶液に含まれる溶質の量を足し合わせることで、混合後の濃度を計算できます。
例題5: 5%の食塩水200gと、10%の食塩水300gを混合した時の食塩水の濃度を求めなさい。
解答:
5%の食塩水に含まれる食塩の量 = 200g × 0.05 = 10g 10%の食塩水に含まれる食塩の量 = 300g × 0.10 = 30g
混合後の食塩水の質量 = 200g + 300g = 500g 混合後の食塩水に含まれる食塩の量 = 10g + 30g = 40g
混合後の食塩水の濃度 = (40g / 500g) × 100 = 8%
答え: 8%
まとめ
濃度計算は、危険物取扱者試験において頻出の問題です。各濃度の定義と計算方法を理解し、確実に得点できるように練習しましょう。特に、希釈の計算は、式の意味を理解しておくことが重要です。