B-5-3

燃焼・空気比に関する典型計算

監修: 危険物学習チーム

更新 2026-02-19 / 10

目次

  1. 燃焼反応式から理論空気量を計算できるようになる
  2. 空気比の定義を理解し、計算に適用できるようになる
  3. 与えられた条件から、必要な空気量を算出できるようになる
  4. 過剰空気係数を用いた計算ができるようになる

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燃焼・空気比に関する典型計算

燃焼計算は、危険物取扱者試験において頻出の分野です。特に、理論空気量と空気比に関する計算は、確実に理解しておく必要があります。ここでは、これらの計算問題に焦点を当て、具体的な例題を通して解き方をマスターしましょう。

理論空気量とは?

物質が完全に燃焼するために理論上必要な空気の量を、理論空気量といいます。空気は、主に窒素と酸素で構成されており、燃焼に関わるのは酸素です。物質が完全燃焼するためには、その物質に含まれる炭素(C)は二酸化炭素(CO2)に、水素(H)は水(H2O)に、硫黄(S)は二酸化硫黄(SO2)になるまで酸化される必要があります。

空気比とは?

実際に供給される空気量と理論空気量との比を、空気比といいます。空気比が1の場合、理論空気量と実際に供給される空気量が等しいことを意味します。空気比が1より大きい場合、空気過剰、1より小さい場合は空気不足となります。

空気比(m) = 実際に供給される空気量 / 理論空気量

例題1:メタン(CH4)の完全燃焼に必要な理論空気量を計算する

メタンの完全燃焼反応式は以下の通りです。

CH4 + 2O2 → CO2 + 2H2O

この反応式から、メタン1molを完全燃焼させるためには、酸素が2mol必要であることがわかります。空気中の酸素濃度は約21%なので、酸素2molを得るために必要な空気量は、

2 mol O2 / 0.21 = 9.52 mol air

となります。したがって、メタン1molを完全燃焼させるために必要な理論空気量は、約9.52molとなります。

例題2:エタン(C2H6)の完全燃焼に必要な理論空気量を計算する

エタンの完全燃焼反応式は以下の通りです。

2C2H6 + 7O2 → 4CO2 + 6H2O

この反応式から、エタン2molを完全燃焼させるためには、酸素が7mol必要であることがわかります。エタン1molあたりでは3.5molの酸素が必要です。空気中の酸素濃度は約21%なので、酸素3.5molを得るために必要な空気量は、

  1. 5 mol O2 / 0.21 = 16.67 mol air

となります。したがって、エタン1molを完全燃焼させるために必要な理論空気量は、約16.67molとなります。

例題3:プロパン(C3H8) 1kgを空気比1.2で燃焼させるために必要な空気量を計算する

プロパンの完全燃焼反応式は以下の通りです。

C3H8 + 5O2 → 3CO2 + 4H2O

まず、プロパン1kgが何molであるかを計算します。プロパンの分子量は44なので、

1000 g / 44 g/mol = 22.73 mol

となります。次に、プロパン22.73molを完全燃焼させるために必要な酸素量を計算します。

  1. 73 mol C3H8 * 5 mol O2 / mol C3H8 = 113.65 mol O2

必要な空気量は、

  1. 65 mol O2 / 0.21 = 541.19 mol air

空気比が1.2なので、実際に必要な空気量は、

  1. 19 mol air * 1.2 = 649.43 mol air

となります。

過剰空気係数

過剰空気係数は、空気比と等しい意味で使用されます。試験問題によっては、空気比ではなく過剰空気係数が与えられる場合があるので、注意が必要です。

このページの要点

  • 理論空気量とは、物質が完全に燃焼するために理論上必要な空気の量である。
  • 空気比とは、実際に供給される空気量と理論空気量との比である。
  • 燃焼反応式から、理論空気量を計算できる。
  • 空気比が1の場合、理論空気量と実際に供給される空気量が等しい。
  • 過剰空気係数は、空気比と同じ意味である。

試験のポイント

  • 理論空気量と空気比の定義を理解する
  • 燃焼反応式から理論空気量を計算する
  • 空気比を用いて、必要な空気量を算出する
  • 過剰空気係数の意味を理解する
  • 具体的な例題を通して、計算方法を習得する

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