第1石油類とは
第1石油類は、危険物の中でも特に引火しやすい物質群です。引火点が21℃未満の液体であり、消防法で定められた危険物第4類に分類されます。第1石油類は、さらに水に溶ける(水溶性)ものと溶けない(非水溶性)ものに分けられます。この水溶性の違いは、消火方法や取り扱いにおいて重要な意味を持ちます。
第1石油類の危険性
- 引火性の高さ: 非常に低い温度で引火するため、静電気や小さな火源でも引火する可能性があります。
- 蒸気爆発の可能性: 発生する蒸気は空気より重く、低い場所に滞留しやすく、広範囲に引火する危険性があります。密閉された空間では爆発的な燃焼を起こすことがあります。
- 有害性: 蒸気を吸入すると、めまい、吐き気、意識喪失などを引き起こす可能性があります。皮膚に触れると炎症を起こすこともあります。
非水溶性第1石油類
非水溶性第1石油類は、水に溶けにくい性質を持ちます。代表的なものとしては、ガソリン、ベンゼン、トルエンなどがあります。
特徴
- 水と分離する: 水と混ぜても混ざり合わず、層を形成します。
- 比重が水より小さいものが多い: 水に浮く性質を持つものが多く、火災時に水で冷却消火を行うと、水面に浮いて燃え広がる可能性があります。
取り扱いと火災予防
- 換気を徹底する: 蒸気が滞留しないように、常に換気を心がけましょう。
- 火気厳禁: 周囲での火気の使用は絶対に避けましょう。
- 静電気対策: 静電気による引火を防ぐため、接地された容器を使用したり、作業着に静電気防止加工を施したりするなどの対策が必要です。
消火方法
- 泡消火器、粉末消火器、二酸化炭素消火器: これらを使用し、窒息消火を行います。特に泡消火器は、燃焼面を覆い、再燃を防ぐ効果があります。
- 大量の水による冷却消火は不適切: 水面に浮いて燃え広がる可能性があるため、原則として使用しません。
水溶性第1石油類
水溶性第1石油類は、水に溶けやすい性質を持ちます。代表的なものとしては、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)などがあります。
特徴
- 水と混ざり合う: 水と容易に混ざり合い、均一な溶液となります。
- 比重が水より小さいものと大きいものがある: どちらのケースもありえます。アセトンは水より軽く、MEKは水より重いです。
取り扱いと火災予防
- 換気を徹底する: 蒸気が滞留しないように、常に換気を心がけましょう。
- 火気厳禁: 周囲での火気の使用は絶対に避けましょう。
- 静電気対策: 静電気による引火を防ぐため、接地された容器を使用したり、作業着に静電気防止加工を施したりするなどの対策が必要です。
消火方法
- アルコール泡消火器: 水溶性液体火災に有効な消火器です。普通の泡消火器では泡が破壊されて効果が薄れます。
- 水による冷却消火: ある程度有効ですが、大量の水で希釈することで燃焼を抑制します。ただし、排水処理には注意が必要です。
- 粉末消火器、二酸化炭素消火器: 窒息効果で消火を試みます。
水溶性液体に対する消火の注意点
水溶性液体は水に溶けるため、非水溶性液体のように水面に浮いて燃え広がることはありません。しかし、水の混合比率によっては、引火点を下げてしまう可能性もあります。そのため、消火の際には、水の量や消火剤の種類を適切に選択する必要があります。
品名による分類まとめ
| 分類 | 代表的な品名 |
|---|---|
| 非水溶性第1石油類 | ガソリン、ベンゼン、トルエン、石油エーテル、石油ベンジン |
| 水溶性第1石油類 | アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル |
このページの要点
- 第1石油類は引火点が21℃未満の可燃性液体であり、非常に引火しやすい。
- 第1石油類は、水溶性と非水溶性に分類される。
- 非水溶性第1石油類は水に溶けにくく、ガソリン、ベンゼン、トルエンなどが該当する。
- 水溶性第1石油類は水に溶けやすく、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)などが該当する。
- 火災予防のため、換気の徹底、火気厳禁、静電気対策が重要である。
- 消火方法としては、非水溶性には泡消火器などが有効で、水溶性にはアルコール泡消火器や水による冷却消火が有効である。
- 水溶性液体の消火には、希釈による消火も可能だが、排水処理には注意が必要。