B-2-3

完全燃焼・不完全燃焼と生成物

監修: 危険物学習チーム

更新 2026-02-19 / 10

目次

  1. 完全燃焼と不完全燃焼の違いを理解できる
  2. 完全燃焼と不完全燃焼で生成される物質を説明できる
  3. 不完全燃焼が引き起こす危険性を理解できる
  4. 燃焼条件が燃焼の完全性に与える影響を説明できる

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B-2-3 完全燃焼・不完全燃焼と生成物

燃焼は、物質が酸素と結合して熱と光を発生させる化学反応です。しかし、燃焼の状態は常に理想的なわけではなく、完全燃焼不完全燃焼という2つの状態に分けられます。

完全燃焼とは

完全燃焼とは、燃料が十分な酸素の供給下で完全に燃焼し、有害な物質をほとんど生成しない理想的な燃焼状態です。炭素を主成分とする燃料(例えば、ガソリン、灯油、プロパンガスなど)が完全燃焼すると、主に二酸化炭素(CO₂)と水(H₂O)が生成されます。

化学反応式で表すと、例えばメタン(CH₄)の完全燃焼は以下のようになります。

CH₄ + 2O₂ → CO₂ + 2H₂O

この反応式は、メタン1分子と酸素2分子が反応し、二酸化炭素1分子と水2分子が生成されることを意味します。完全燃焼では、エネルギーが最大限に放出され、煙やススといった未燃焼の物質はほとんど発生しません。

不完全燃焼とは

一方、不完全燃焼とは、酸素の供給が不十分な状態で燃焼が起こる状態です。この場合、燃料は完全に燃焼しきれず、一酸化炭素(CO)、炭素の微粒子(スス)、未燃焼の燃料などが生成されます。

メタン(CH₄)の不完全燃焼の例:

2CH₄ + 3O₂ → 2CO + 4H₂O

この反応式は、酸素が不足しているため、二酸化炭素ではなく一酸化炭素が生成されることを示しています。

不完全燃焼の危険性

不完全燃焼は、以下の点で非常に危険です。

  • 一酸化炭素中毒: 一酸化炭素は無色無臭の気体で、血液中のヘモグロビンと結合しやすく、酸素の運搬を阻害します。高濃度の一酸化炭素を吸入すると、頭痛、吐き気、意識不明などを引き起こし、最悪の場合、死に至ります。
  • 煤煙の発生: ススは呼吸器系に悪影響を及ぼすだけでなく、火災の原因となることもあります。
  • エネルギー効率の低下: 燃料が完全に燃焼しないため、得られるエネルギーが少なく、燃料の無駄遣いになります。

燃焼条件と完全性

燃焼の完全性は、以下の要素に影響されます。

  • 酸素の供給量: 十分な酸素が供給されることが、完全燃焼の最も重要な条件です。
  • 温度: 適切な温度を維持することで、燃焼反応が促進され、完全燃焼に近づきます。低温すぎると、反応が不十分になり、不完全燃焼を引き起こしやすくなります。
  • 混合: 燃料と酸素が均一に混合されているほど、完全燃焼しやすくなります。混合が不十分だと、酸素が不足する部分が生じ、不完全燃焼の原因となります。
  • 滞留時間: 燃焼に必要な時間が十分に確保されていることも重要です。滞留時間が短いと、燃料が十分に燃焼する前に排出されてしまい、不完全燃焼につながります。

燃焼機器を使用する際は、これらの要素を考慮し、適切な燃焼状態を維持することが重要です。特に、換気を十分に行い、一酸化炭素中毒を防ぐように心がけましょう。

その他の生成物

完全燃焼・不完全燃焼のいずれの場合でも、燃料に含まれる不純物や、燃焼時の温度条件などによって、窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)といった有害な物質が生成されることがあります。これらの物質は大気汚染の原因となるため、燃焼機器の排ガス処理が重要となります。

このページの要点

  • 完全燃焼は、十分な酸素のもとで燃料が完全に燃え、二酸化炭素と水を生成する理想的な燃焼状態です。
  • 不完全燃焼は、酸素不足の状態で燃料が不完全に燃え、一酸化炭素、スス、未燃焼燃料などを生成する危険な状態です。
  • 不完全燃焼は、一酸化炭素中毒煤煙の発生エネルギー効率の低下といった問題を引き起こします。
  • 燃焼の完全性は、酸素の供給量温度混合滞留時間などの要素に影響されます。
  • 燃焼機器を使用する際は、換気を十分に行い、一酸化炭素中毒を防ぐことが重要です。

試験のポイント

  • 完全燃焼では二酸化炭素と水が生成される
  • 不完全燃焼では一酸化炭素やススが生成される
  • 不完全燃焼は一酸化炭素中毒を引き起こす可能性がある
  • 十分な酸素供給が完全燃焼の条件
  • 燃焼機器使用時は換気が重要

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