B-4-3

静電気発生メカニズムと防止策

監修: 危険物学習チーム

更新 2026-02-19 / 10

目次

  1. 静電気の発生メカニズムを理解できる
  2. 静電気放電による危険性を説明できる
  3. 静電気放電の防止策を具体的に挙げられる
  4. 危険物を取り扱う際の静電気対策の重要性を認識できる

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B-4-3 静電気発生メカニズムと防止策

静電気は、日常生活でよく経験する現象ですが、危険物を取り扱う際には、火災や爆発の原因となるため、非常に重要な注意点です。ここでは、静電気の発生メカニズムと、その防止策について詳しく解説します。

静電気とは?

静電気とは、物体に電荷が偏って蓄積された状態を指します。普段、私たちは電気的に中性の状態ですが、何らかの作用によって電子が移動することで、プラスまたはマイナスの電荷を帯びます。この電荷の偏りが静電気として現れます。

静電気の発生メカニズム

静電気は、主に以下の3つのメカニズムで発生します。

  1. 摩擦帯電: 異なる種類の物質を摩擦すると、電子が一方の物質から他方の物質へ移動し、それぞれの物質が正または負に帯電します。例えば、乾燥した日にセーターを脱ぐときや、プラスチック製の定規を布で擦るときなどに発生します。特に、絶縁性の高い物質ほど帯電しやすい傾向があります。
  2. 剥離帯電: 接触していた2つの物質が剥がれる際に、電子の移動が発生し帯電します。危険物の取り扱いにおいては、液体を容器から注ぐ際や、フィルターで濾過する際などに発生しやすいです。
  3. 流動帯電: 液体や粉体がパイプやホースなどの内部を流れる際に、管壁との摩擦によって帯電します。特に、絶縁性の高い液体(ガソリン、灯油など)が高速で流れる場合に帯電しやすくなります。

静電気放電による危険性

帯電した物体が、他の物体に近づくと、電位差が生じます。この電位差が一定以上になると、絶縁破壊が起こり、電荷が一気に移動します。これが静電気放電です。静電気放電の際に発生する火花は、可燃性の蒸気やガスに引火し、火災や爆発を引き起こす可能性があります。特に、引火点の低い危険物を取り扱う際には、静電気対策が不可欠です。また、静電気放電は電子機器の誤作動や故障の原因にもなります。

静電気放電の防止策

静電気放電による災害を防ぐためには、以下の対策を講じることが重要です。

  1. 接地(アース): 設備や容器を接地することで、帯電した電荷を大地に逃がし、電位差の発生を防ぎます。金属製のタンクやパイプラインは、必ず接地する必要があります。
  2. 加湿: 空気を加湿することで、空気中の水分が帯電した電荷を逃がす役割を果たし、静電気の蓄積を抑制します。特に乾燥する冬場は、加湿器の使用や、水で濡らしたタオルを置くなどの対策が有効です。
  3. 帯電防止剤の使用: 帯電防止剤を対象物に塗布したり、混合することで、表面抵抗を下げ、電荷を逃がしやすくします。作業着や床などに使用することで、静電気の発生を抑制できます。
  4. 導電性材料の使用: 容器や工具などに導電性の高い材料を使用することで、電荷が蓄積しにくくします。静電気対策された作業着や手袋なども利用できます。
  5. 流速の制限: 液体や粉体を移送する際の流速を制限することで、流動帯電による静電気の発生を抑制します。特に、絶縁性の高い液体を取り扱う際には、流速を遅くすることが重要です。
  6. 作業環境の改善: 静電気の発生を抑制するために、作業環境を整理整頓し、不要な摩擦や剥離を避けるように心がけます。また、作業者は静電気を帯びにくい服装を着用し、作業前に身体に帯びた静電気を放電するようにします。

危険物取扱における静電気対策の重要性

危険物、特に第4類危険物(引火性液体)は、静電気による火花で容易に引火・爆発する可能性があります。そのため、危険物を取り扱う際には、上記の防止策を徹底し、静電気による災害を未然に防ぐことが極めて重要です。作業前には必ず設備の接地を確認し、適切な作業手順を遵守するように心がけましょう。

静電気火花のエネルギーと危険性

静電気火花のエネルギーは、通常小さいと考えられがちですが、可燃性蒸気やガスが存在する環境下では、ごくわずかなエネルギーでも引火・爆発を引き起こす可能性があります。特に、引火点の低い物質を取り扱う場合は、静電気対策を徹底することが不可欠です。

このページの要点

  • 静電気は摩擦、剥離、流動など様々な原因で発生する。絶縁性の高い物質ほど帯電しやすい。特に第4類危険物(引火性液体)は注意。
  • 静電気放電は、可燃性の蒸気やガスに引火し、火災や爆発を引き起こす可能性がある。
  • 接地、加湿、帯電防止剤の使用、導電性材料の使用、流速の制限などが有効な静電気防止策である。
  • 危険物を取り扱う際には、これらの対策を徹底し、静電気による災害を未然に防ぐことが重要である。
  • 作業環境の整理整頓、適切な服装、作業前の放電も静電気対策として有効である。

試験のポイント

  • 静電気は、摩擦、剥離、流動などにより発生する。
  • 静電気放電は、引火性物質に引火し、火災や爆発の原因となる。
  • 接地、加湿、帯電防止剤の使用などが静電気防止に有効である。
  • 危険物取扱時には、静電気対策を徹底することが重要である。
  • 作業環境を整え、適切な服装を選ぶことも静電気対策の一環である。

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