B-4-2

有機化合物の基礎と危険性

監修: 危険物学習チーム

更新 2026-02-19 / 10

目次

  1. 有機化合物の基本的な構造と特徴を理解できる。
  2. 有機化合物の燃焼における危険性を説明できる。
  3. 引火点と発火点の違いを理解し、危険性評価に役立てられる。
  4. 有機化合物の蒸気圧と燃焼範囲が危険性に与える影響を説明できる。

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B-4-2 有機化合物の基礎と危険性

有機化合物は、炭素(C)を主骨格とする化合物の総称です。石油、プラスチック、医薬品、食品など、私たちの身の回りにある多くのものが有機化合物でできています。危険物取扱者として、有機化合物の性質と危険性を理解することは非常に重要です。

有機化合物の構造と特徴

炭素原子は4つの価電子を持ち、他の原子と共有結合を形成しやすい性質があります。特に、炭素原子同士が結合することで、鎖状、環状など多様な構造を作り出すことができます。この多様な構造こそが、有機化合物の種類が非常に多い理由の一つです。

有機化合物は、主に炭素と水素(H)からなる炭化水素と、炭化水素に酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)などの原子が結合した誘導体に分類されます。

  • 炭化水素: メタン (CH4)、エタン (C2H6)、プロパン (C3H8) など。燃料として利用されることが多いです。
  • アルコール: メタノール (CH3OH)、エタノール (C2H5OH) など。消毒剤や溶剤として利用されます。
  • エーテル: ジエチルエーテル (C4H10O) など。麻酔薬や溶剤として利用されます。
  • ケトン: アセトン (C3H6O) など。溶剤や樹脂の原料として利用されます。
  • カルボン酸: 酢酸 (C2H4O2) など。調味料や化学製品の原料として利用されます。

有機化合物の燃焼と危険性

多くの有機化合物は可燃性であり、空気中の酸素と反応して燃焼します。燃焼の際には熱と光を放出し、二酸化炭素(CO2)と水(H2O)を生成します。しかし、不完全燃焼の場合には一酸化炭素(CO)などの有毒なガスが発生する可能性があります。

有機化合物の危険性を評価する上で重要な要素として、引火点発火点燃焼範囲蒸気圧などが挙げられます。

  • 引火点: 可燃性の液体が、空気と混合して点火可能な蒸気を生成する最低温度。引火点が低いほど、火災の危険性が高くなります。詳しくは[【完全ガイド】引火点とは?乙4試験で必ず出る重要ポイントを徹底解説 / 基礎的な物理学・化学]を参照してください。
  • 発火点: 外部からの点火源なしに、物質が自然に燃焼を開始する温度。発火点が低いほど、自然発火の危険性が高くなります。
  • 燃焼範囲: 可燃性蒸気と空気の混合気が燃焼を維持できる蒸気濃度の範囲。燃焼範囲が広いほど、着火・爆発の危険性が高くなります。
  • 蒸気圧: 液体の蒸発しやすさを示す指標。蒸気圧が高いほど、蒸気が発生しやすく、引火の危険性が高くなります。

静電気も有機化合物の燃焼における重要な危険因子です。有機溶剤を取り扱う際、静電気の放電が点火源となり、火災を引き起こす可能性があります。静電気対策として、接地や加湿などが有効です。

危険性評価のポイント

有機化合物の危険性を評価する際には、以下の点に注意する必要があります。

  1. 引火点と発火点の確認: 引火点と発火点の値を確認し、取り扱い温度との関係を考慮する。
  2. 蒸気圧の確認: 蒸気圧が高い物質は、換気を十分に行い、蒸気が滞留しないようにする。
  3. 燃焼範囲の確認: 燃焼範囲が広い物質は、特に着火源に注意する。
  4. 静電気対策の実施: 静電気の発生を抑制し、発生した静電気を速やかに除去する。

これらの情報を基に、適切な保管方法、取り扱い方法、消火方法を選択することが、危険物取扱者の重要な役割です。

このページの要点

  • 有機化合物は炭素を主骨格とする化合物であり、多様な種類が存在する。
  • 引火点、発火点、燃焼範囲、蒸気圧は、有機化合物の危険性を評価する上で重要な指標である。
  • 静電気は有機化合物の燃焼における重要な点火源となる。
  • 適切な保管方法、取り扱い方法、消火方法を選択することが重要である。

試験のポイント

  • 有機化合物は炭素を主骨格とする化合物の総称。
  • 引火点は液体が点火可能な蒸気を生成する最低温度。
  • 発火点は外部点火源なしに物質が燃焼を開始する温度。
  • 燃焼範囲は可燃性蒸気と空気の混合気が燃焼を維持できる蒸気濃度の範囲。
  • 蒸気圧は液体の蒸発しやすさを示す指標。
  • 静電気は有機溶剤の火災原因となる可能性がある。

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